真田くんの話とレンチの話

みなさん、こんにちは。

 

 

 

 

 

 

まずはじめに、

 

真田くんおかえりなさい(泣)

 

 

 

このことに触れずにブログは公開できないなぁと思ったので、まずは真田くんについて書かせてください。

 

 

 

大好きな真田くんがね、事務所を退所して約1ヶ月半で素敵な楽曲と共にこの世界に戻ってきてくれました。

 

退所が決まってから「未来に希望しかない」、そう言いながらもやっぱりその姿を見れるまでは、次の活動を知るまでは、どうしても安心できなくて。そりゃこのまま干され続けるよりはよっぽどマシだけど、そもそもこんなことにならなかったらよかったのに、とも思ったりもした。

だけど、こうやって今の場所でしかできない、新しい道で輝き始めた真田くんを見てやっと「これでよかったのかも」ってちゃんと思えた。

だってそのままジャニーズにいたらソロ楽曲を一気に2曲も配信してくれることなんてなかっただろうし、ツイッターでリアルタイムで気持ちを届けてくれることだってなかっただろうし、もちろんジャニーズにいることでのメリットもたくさんあるだろうけど、そうではない、ジャニーズじゃないからこそできることで、幸せな気持ちにさせてくれたことがすっごく嬉しかった。真田くん自身が考えて行動してくれたことでそう思わせてくれたことがすっごく嬉しかった。

し、そんな真田くんはすっごくかっこよくてやっぱり大好きだなぁ、って思った。

またこうやって毎日真田くんの話ができるのがほんとに楽しくて幸せで、真田くんにはありがとう、って気持ちでいっぱいだな。

 

今さ、他のグループでもいろいろ新しい動きがあったり、なかなか受け入れ難いこともたくさんあるんだろうなぁと思うんだけど、たぶんすぐに受け入れられないのは当たり前で、きっとそんなすぐに受け入れる必要もなくて、大事なのは好きな人のことを信じて待ってみることなのかなぁ、って思った。

私もたぶん、Love-tuneの7人がまた一緒に活動しているところを見るまでは、きっぱりとジャニーズ事務所との未練を断ち切ることは難しいのかなって思う。だから、7人のことを信じて待っていたい。

萩ちゃんの舞台も決まったし、顕嵐くんも毎日何かしらのメッセージを届けてくれているし、きっと未来は明るい!!!!!!!夢を見続けよう!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、

元々ここからが本題だったのですが、11月23日、勤労感謝の日に公開となった安井謙太郎くん主演、森田美勇人くん出演の映画「ニートニートニート」。

その映画に出てくる主人公、安井くん扮するレンチの話を今日はしたいと思います。

といってもこの記事、実は上映期間中から書き進めておりまして、ほんとはキノブーの話もタカシちゃんの話もする予定だったのですが、あまりにも長くなりそうだったのでとりあえずレンチに絞ることにしました。

2人の話もまた追々しますね。

 

それでは、前置きが長くなりましたが本題に入ります。

 

 

 

 

私はこの作品を何度か観ているうちにあるひとつの疑問を抱いた。

 

 

"レンチは本当にクズなのか"

 

 

映画公式サイトのイントロダクションでもレンチについて「何やらワケありで、言うこともやることもクズい穀潰し」と紹介されている。

私も初めてこの作品を観た時には確かにそう感じた。劇中にもレンチに対し「クズ」だという言葉が何度か掛けられている

しかし本当にクズなのか。そのことについて考えていきたい。

 

まずはじめに、

・北海道に旅に出た理由について

原作、映画共に北海道を行き先に選んだ理由についてレンチは「このちっさい島国で唯一"大地"と呼ばれる場所だから」と答えている。そこでキノブーたちに「ただ遠いからだろ」と突っ込まれる訳だが、原作ではその後すぐ、二人を巻き込み、遠い場所へ行かなければいけなくなったきっかけについてもレンチは話している。しかもそのきっかけというのが、ヤクザの女に手を出しヤクザに追われているだけではなく、その女には緊急連絡先としてタカシの住んでいた寮を教え、また寝泊まりしていた別の女は妊娠してしまい、その女には実家としてキノブーの家を伝えていた、というクズっぷりだ。

しかし映画ではどうだろう。「逃げ出したいなら一人で行けよ。」と言うキノブーに対し「やぁだ〜、お前のかぁちゃんと約束したもん。」と、あくまでも引きこもりのキノブーを救うため旅に出たんだとレンチは主張する。つまりここではヤクザに追われていることは話していないし、もちろん周りの女にタカシやキノブーの住所を教えるようなことはしていない。

原作に対し映画のレンチは、コネ入社し退屈な社会人生活を送っているタカシと、心に傷を負い引きこもっているキノブーを救い出す為に北海道へ連れ出そうとしている、という印象を強く受ける。

 

・では、なぜヤクザに追われることになったのか?

始めのシーンでレンチが自らヤクザに追われていることを話しはしないものの、劇中レンチ達はヤクザに追われることとなる。挙句クズ呼ばわりされ、どうしてもその理由について話さなくてはならなくなったレンチは渋りながらもこう明かす。

「少し前…ダチに女かくまってくれ、って頼まれて。その女、妊娠してたんだよ。」「で、その女の親父がヤクザだった、ってワケ。」

そう。レンチが100パーセント悪い、という訳ではない。かと言って「毎日一緒に寝んだぞ?そりゃヤんだろ(笑)」と後に続くところを見ると、100パー悪くないわけでもないが、元々が"ダチの頼み"から始まっているところになんだか好感のようなものを抱いてしまう。

 

・レンチは三人を巻き込みたくないのではないのだろうか

劇中キノブーが「みんな巻き込んでおいて、なんだよ今さら…」とレンチに言うシーンがあるが、レンチからしてみればそんなはずではなかったのではないだろうか。

ここでキノブーが言っている「巻き込まれた」には①北海道に連れてこられたこと、②ヤクザに追われていること、が挙げられると思うが一つ目の北海道にキノブーを連れてきたことに関しては、単純にレンチが引きこもりのキノブーを救い出したかったからだと感じてしまう。

そして二つ目のヤクザに追われてしまったこと、これはレンチにとって誤算だったのではないだろうか。だからコンビニでタカシとキノブーにまで危害が及びそうになった時レンチはあんな目をしたんだと思うし、キノブーと月子が乗っている車がヤクザに追われた時「みんなもう帰っていいぞ」と言ったんだと思うし、最後ゴジさんの家の周りにまでヤクザが来た時「俺が出ていきゃ済む話だ」と言ったんだと思う。

 

・月子の気持ちに寄り添ったレンチ

この映画最大の見所ではないだろうか。それまで心を開かなかった月子。そして月子の過去を知ったレンチ。そんな二人が初めて心を通わすシーン。私はこのシーンが大好きだ。

「ねぇ、レンチってなんでレンチなの?」そう月子に聞かれたレンチはこう答える。

「…アル中女にモンキーレンチで殴られた」「テメェの息子がでっけーネズミにでも見えたんだろうな」

原作では"レンチ"の由来について「中二の時に工業高校のヤンキーと喧嘩になり、モンキーレンチのネジの部分で殴られた」と書かれていた。だけど映画のレンチはその由来となったモンキーレンチで殴られた傷が、自分の母親によるものだったと明かす。レンチにも辛い過去があったのだ。

そしてそのことを知った月子は「いやなこと聞いた?」とレンチに聞く。

「いいや

…あのな、貧乏ってのはそれ自体が不幸ってことじゃない。不幸のせいにして貧乏と手を切らなかったから…いや、貧乏のせいにして不幸と手を切らないのが…」「とにかく、お前も泣いたり、こーんな顔してんな。貧乏神ってのはそいつが大好物だ。金が無くたって笑って生きろ。不幸の中一人ぼっちになったって毅然としてろ。そうすりゃヤツら逃げてく。」

ここでレンチは初めて月子の気持ちに寄り添うところを見せる。そしてそんなレンチに月子も初めて心を開き、笑顔を見せる。

タカシやキノブーだけじゃなく、月子のことも救い出そうとしているレンチを見ていたら、本当はクズなんかじゃないのではないかと思ってしまう。というより、レンチのこういった一面こそが、誰からも好かれ、誰よりも真っ当だったと言われる所以だったのではないだろうか。

 

・月子を救うヒーローになったレンチ

 月子に対し散々「クソ女」だの「なぞなぞ女」だの言ってきたレンチだが、最終的にレンチは月子が探していた遊園地を見付け、そして月子がヤクザに捕まった時には真っ先に駆け付け助けようとした。

まさにレンチは月子にとってヒーローのような存在になった。

 

そんなレンチを果たして"クズ"だと言えるだろうか。

 

回数を重ねるごとに、私はどんどんレンチのことを「かっこいい」と思うようになった。

 

しかし、そう思ってしまうのは私がレンチにまんまと騙されているからなのだろうか。

 

そう、タカシが劇中「俺ってもしかしてまんまと騙されてる?」と言っていたように。

 

 

キノブー曰く、レンチは平気で嘘をつく。だからレンチが話したことも、すべてが事実かどうかはわからない。だけど何故か信じてしまうような、憎めない何かがレンチにはある。

 

それは一体なんなのか。私は学生時代のキノブーと同じように、レンチのことを観察してみた。

 

・純粋さ

「え、え、え?なんで変わらなきゃいけねんだ?」

「やぁだぁ〜、お前のかぁちゃんと約束したもん」

「お前らこそ毎日同じ景色ばっか見てよく飽きねぇな」

良くも悪くもレンチは純粋だ。純粋に、思ってること、感じてることを口にする。そこに他意や嘘偽りはきっとないし、卑屈さも感じない。  

  「海でっけぇー!月めっちゃ綺麗!夜くれぇ〜!」

「山すげぇ〜!」

「でっけぇ!」

「うめぇ!」

そんな純粋なレンチは感受性もとっても豊か。語彙力こそ乏しいものの、心が動かされた時すぐにその感情が口に出る。リアクションがとてもいい。

・笑顔

レンチはいつだって笑顔だ。たとえそれが笑えない状況だったとしてもレンチは笑顔でいる。それはきっと月子に「金が無くたって笑って生きろ」と言っていたように、レンチにとっても"笑顔でいる"ことがポリシーだったからだと思う。良くも悪くもその笑顔のおかげで物事を深く考えすぎずに済む。キノブーも「レンチが笑えばみんなが笑うんだ」と言っていたけど、周りをも巻き込むそのレンチの笑顔に、きっと救われていることもたくさんあるのだろう。

 ・あざとさ

いい女とイチャイチャして♡」(キノブーの肩辺りをチョンチョンと触る)

「なんかぁ〜疲れちゃってぇ…甘いもの食べたいな♡」(子犬になる)

「お前も押すんだよ」(月子の膝をペシペシ叩く)

「鉄則だ!」(キノブーに息を吹きかける)

ナチュラル(?)なボディタッチとこのあざとさ。住職不定無職になり、女をパトロンにするのも納得だ。

 

 

…と、レンチを憎めない理由について考えてみたが、実はこれ安井くん自身が意識して演じていたことでもあり、また私は安井くん自身が元々持っていたものでもあるのかなぁ、とも思った。

 

安井くんは公式サイトのキャスト紹介で役についてこう話している。

⾔葉では何とも表せないレンチの憎めなさ、ある種の可愛らしさや魅⼒がどうやったら出るかと考えて、「笑顔」だな、と思いました。混じり気があったらヤな奴に⾒えるけど、100%の笑顔なら、つねに今の状況を100%楽しんでる男に⾒えるはず。セリフもそうです。クズいこと⾔ってるんだけど、レンチっぽさは、そこに卑屈さがなくてあっけらかんと⾔い放つところだと思ったんです。

 こうやって安井くんが考えて演じたことがきちんと受け取る側にも伝わって、クズなところがあるレンチというキャラクターを、安井くんが演じることによってきちんと愛すべきキャラクターにしてくれた。

そしてこの「100%の笑顔なら、つねに今の状況を100%楽しんでる男に見えるはず」というところ、「プライドがあるとしたら見せないこと。楽しそうでチャラチャラしてそうでラクそうでそれで良い!」と話していた安井くんと重なるところがあるのではないだろうか。

 

そして北海道について

その雄⼤な景⾊や⼤地にストレートに感動しました。「規模感」を感じたし、海の⾊や表情も北と南(宗⾕岬・襟裳岬)で全然違う! 空気がおいしい!⽜乳や⾷べ物も! 

と、話したりもしていた。あのレンチのオーバーにも思えるリアクションは、安井くん自身が北海道という地に感動して自然と出たものでもあるのかなぁ、と。

 

 

 

そんな風に監督が映画化するにあたって決めた設定と、安井くんがレンチを演じる上で考えたことと、安井くん自身が元々持っているもので出来上がったレンチというキャラクターは、やっぱりクズなんかではないのではないだろうか。

 

 

"レンチはクズに見えるけどほんとはクズではない"

 

"レンチはクズだったけど旅をすることでクズではなくなった"

 

"そもそもクズなんかではない"

 

"まんまと騙されてるだけでやっぱりクズだ"

 

 

 

この中に正解はあるのかな。

 

これだけ考えてもやっぱりわかんないや…。

 

 

 

 

 

ていうか、そもそもクズかどうかってそんな重要なことなのか…??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…なーんて、

そんなことを考えながらニートニートニートを観る日々が私はとっても楽しかったです(笑)

 

私が何度も映画館に足を運んでいた理由、それは登場人物ひとりひとりのことをきちんと理解したかったからかもしれないな。それぐらい私はニートニートニートと、その登場人物達に魅了されていた。

 

 

"レンチは本当にクズなのか"

はじめに書いたこの疑問の答えは結局はっきりとは出せないままだけど、たぶんそんなことはどうでもよくて、自担が退所し退屈であるはずの日々を充実させてくれて、「笑って生きろ、不幸の中一人ぼっちになったって毅然としてろ」って励ましてくれたのは、間違いなく映画「ニートニートニート」であり、安井くん演じる"レンチ"だった。

 

映画でレンチが月子を救っていたように、私はレンチに、安井くんに救われていたのかもしれないな。

 

 

 

そんなレンチはきっとヒーローで、

そんな安井くんはやっぱりsupermanだ。